『怒涛の鯨のタタキ』
2004年12月の日記



2004年は世界的に〔災〕の年でした。
次々に襲い掛かる自然災害は、
未来を不安なものと思わせるほどでした。


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2004/12/1(水)
12月がやってきた
「12月だよっ」
「新聞や宅急便、ワンワン吠えるのに忙しいっ」


新聞を日経に替えた。間違いなく配達されたことにまずは感激。この新聞は読むところが一般紙より多いので嬉しい。(株価欄は見ないけど。)とりあえず、見出しだけ眺めた。

寒くなると、適温の27度を保つのが難しいので、自家製のカスピ海ヨーグルトを作り続けるのが困難になる。去年も冬に一度ヨーグルト菌が死んだ。今年は、ヨーグルト製造のための、タニタの『ヨーグルティア』(8925円)を購入。今日、届いた。毎日のヨーグルトは、アルも大好物なのだ。

インフルエンザの予防注射を摂取してきた。うちの近所の医院、1回摂取でOK。3000円。この注射は医療機関によって2回注射するところもあるし、4500円のところもあって、値段が違う。病院によっては、ワクチンを大量に仕入れ、出し惜しみして、結局大量に返品するらしい。去年の返品率ワースト1は、やっぱり愛知県であった。

     
2004/12/2(木)
心静かに過ごしたい夜
「剣客商売、始まったよ〜」
「チャンバラって吠えたくなるんだ!」
「真剣勝負って吠えたくなるねっ」


アルは、ドラマや映画の迫真のチャンバラや格闘シーン、(野球以外の)スポーツ中継が始まると、画面に見入り吠え立てることがあります。アルには、真剣かそうでないかがわかるんだな、きっと。(親バカ)

ワンコが吠えるのには理由がある。遊びの最中に、ワンッと吠えるのは、「ボール、投げて〜〜」との催促だったりする。

一方、のどかな風景だと思っていたのだが、牛がモーッと鳴くのは不機嫌な証拠なのだそうだ。就寝30分前の温めたミルクは神経をなだめ安らかな眠りを誘うらしいが、「んもーっ、断りもなくアタシのおっぱいを搾らないでよねっ、あったまにきちゃうわっっ」、とモーモーと不機嫌な牛のミルクを飲むと・・・ひょっとしたら、ちっとも眠くならないわ??てなことになるのかもしれない。

まだ眠っている牛から搾ったミルクには、眠りを誘う成分がたっぷり。そんな「ナハトミルヒ(夜のミルク)」という商品名の特別な牛乳がスイスにあるらしいが、一度、飲んでみたいものだ。




     
2004/12/3(金)
気分転換したかったから
「秋の新色?」
「ベージュピンク?」
「美人色じゃん、似合うかな〜?」


ぬるま湯でそっと洗ってるだけなのに、肌がボロッとむけて、さらに、タオルで水分を吸い取ったらみるみる乾いて、日焼け後の背中のように、ペロリと皮膚がめくれてる。つっぱる、つっぱる、顔がつっぱる〜〜! 保湿用の化粧水で肌を押さえたら、しみるっ! 慌てて水で洗い流すが、時すでに遅し・・・。鏡をみたら、そこにうつっていたのは、あちこち赤くまだらになった顔であった。肌の調子が悪いと、とっても気分がよくない。ゆーうつったら憂鬱。

が、落ち込んでいても肌はよくならないので、まずは、部屋の窓をあけて掃除をし、モップでホコリを拭い取り、ベッドのシーツと枕カバーを取替え、アレルギー対策した。今夜からは、肌の「セラミド」を守るべく最大限努力しよう。

さらに気分転換に、口紅の新色を買ってきた。肌に何もつけられないから、口紅くらいしか塗れないもんね。テスティモの「光凸凹立体効果でふっくら&ひきしめ!!くちびるを美形にする口紅です」、だって。うふ。




     
2004/12/4(土)
毎日見てるのに
「毎日、アタシの何を見てるの?」
「アタシは毎日同じアタシじゃないよ」
「アタシは毎日新しいアタシになるんだよ」


アルのお腹の模様はこんなだったっけ?
アルの目の周りの毛の色はこんな色だった?
アルの歩き方はこんなだったっけ?

きっと少しずつ変化してるんだね。毛の色が変わっていく。歩き方も変わっていく。きっと、体調も毎日違うんだろうね。雨の日のアルは、いつもより憂鬱で、眠いんだよね。

今日は、9時半頃から4時頃まで外出し、帰宅したら、アルがいつもと違っているように感じた。なぜなのだろう?と、シミジミとアルを眺め、違いを探ろうとした。

明日また、元気なアルに会えますように。




     
2004/12/5(日)
納豆卵かけご飯
「もうちょっと行こうよ!」
「道路の向こう側にもワクワクがあるよ!」
「何かがアタシを待っている〜」


今日は朝、非常に暖かだった。未明から台風のような風が北の窓に吹き付けて、強風は日中もそのまま残ったけれど、気温そのものは高かったようだ。

アルは夕方散歩、絶好調。調子のいい時は、道路を渡ってさらにブラブラと距離を伸ばす。今日は、ブラブラというよりほとんど駆け足で、いろんなところのにおいをチェックしていたようだ。

アルの夕食、ドッグフードを洗剤スプーンに2杯弱、豆腐ミニミニパック1、卵かけ納豆を大さじ1。これらを混ぜて与えた。納豆がことのほか好きで、今日の食器は、納豆のヌルヌルが残らないほどにきれいに舐め上げてくれた。




     
2004/12/6(月)
帰巣本能
「北へ行こうか、南へ行こうか・・・」
「犬が西向きゃ、尾は東〜」
「アタシには尾がないじゃん・・・」


アルに帰巣本能があるのだろうか、と、疑いたくなることがある。今日もそうだった。滅多に行かない方向、つまり線路を渡って向こうへ行ったのだが、おもしろがって(?)においを嗅ぎながら線路沿いの道をどんどん進んでいく。しかし、後ろから接近し通過する電車というシチュエーションは初体験。「え? これ、何の音?」とドギマギしている様子。なじみの場所に到着し、我が家の方向へ順調に進み始めたが、「あら、こっちじゃなかったわ」という様子で方向転換。アル、そっちじゃないって!

確かに、地球は丸いから、まっすぐどこまでも進めばいつかは我が家につくけれど。が、しかし、途中には川も海も山も氷も温泉も悪い人もいっぱいいるんだから。・・・アル、落ち着きなさいっ。




     
2004/12/7(火)
居心地の良さ
「陽だまりの〜」
「腕にすっぽり、つつまれて〜」
「も少しここに、こうしていたい〜」


日差しが弱く、短くなってきました。アルは日差しを求めて、人がいないとみるや、特等席にとびのって寝てしまいます。

レンタルDVDで『恋愛適齢期』を観た。おとぎ話です。おもしろかった。笑い転げました。ありえない話です。理想です。女性の手になる脚本でしょうか。

ダイアン・キートンがノリノリで演じている感じでした。ホントにおもしろかった。さすがジャック・ニコルソン、と何度も拍手しました。キアヌはホントにかわいい。あのラストでいいのか?という論議があると聞きますが、あのラストでいいのです、おとぎ話ですから。

そりゃ、かわいい年下の男の子が慕ってくれるなんてことは、女心をくすぐるし、かわいがってやりたいし、楽しいことでしょう。しかし、互いの老眼鏡を取り間違えていても、メガネに関しては半年間もの間不自由なく暮らせたのなら、やはりその人は自分にぴったりの、一緒に眠っても熟睡できる相手なのでしょうね。




     
2004/12/8(水)
自由と独立
「ちょっとそこまで〜」
「心配しないで〜」
「ひとりでできるも〜ん」


ワンコのリードをはずして歩かせている人も見かけますが、私にはできないことです。いつだったか、アフガンハウンドが優雅に豪快に走ってきたことがあります。「つかまえて〜! 大丈夫だから〜!」と飼い主が叫びながら追いかけてきましたが、その犬は明らかに飼い主をおちょくって遊んでいるのです。「へいへーい、こっちだよ〜、おっかけっこだよ〜」と。人より鈍い運動神経を誇る私に、大型犬のアフガンハウンドを捕まえることができるとでも?

壮大な地名を名に冠する日本の大学の野球部員が集団痴漢行為。純愛の「冬ソナ」ブームの一方で、際限のない卑劣行為の連続勃発だ。「冬ソナ」発信地韓国では、若者に3年間の兵役義務が課せられ、若者たちはドラマさながら恋人と引き離されたり、焦りと苦悩にさいなまれる時間もあろう。同時に、自分と国家を見つめる時間もあるのではないだろうか。自由と人権と平等と庇護と規制の国ニッポンで、何の目的も信念もない教育プログラムにいじりまわされて、子どもは一番大事なことを学ばないまま、体だけ大きくなって、自信を失った大人になっていくようで哀れだ。




     
2004/12/9(木)
コスモスの夢
「日向ぼっこ・・・」
「コスモスも、ハイビスカスも、アタシも・・・」
「・・・きっと同じ夢を見るんだよ」


コスモスといえば秋桜、『秋桜』といえば百恵ちゃんである。コスモス・・・おとなしそうな花で、実は私の好みではない。私は、肉厚の葉っぱや花びらのうるさそうな、くどそうな、単純で元気な花が好き。・・・椿なんかが好きだ。

やさしい姿形でありながら、めげずひるまず淡々と自分を貫き通す強さをコスモスに感じ、北朝鮮拉致被害者家族会の横田早紀江さんを思い浮かべた。北朝鮮の金氏はコスモスを知らないのだろう、多分。炎の信念を貫き通そうとする日本人もいるのだということを、知らないのだ、きっと。




     
2004/12/10(金)
理解できない事態が発生か
「何か用?」
「都合のいい時だけ、いうこと聞けって?」
「アタシだって言いたいことはあるわよっ」


いえいえ、アルはとってもいい子なんです。私を自分の仲間だと思って、対等に接してくれてるだけなんです。アルの言いたいことはよくわかるんです。わかるけど、永遠にひっぱりっこ遊びをするわけにはいかないんだよ、アル。

そんなことより、W杯最終予選だってば。国交のない北朝鮮で、日本と北朝鮮が試合だって。サポーターは行けるのか? 「わが国にはきっちりとした規則がある。訪れる人々がそれを守ってくれさえすれば問題ない」と北朝鮮協会副会長は言ったそうだが、・・・規則って? きっちりとした規則って?

「きちっとした」という表現は、日本では社民党の党首がよく使うが、そのたびに笑ってしまう私。




     
2004/12/11(土)
シービスケット
「迫力〜〜!」
「本物だわっっ!」
「競馬中継も好きっ!」


アルは、スピード感のある映像が好き。映画『シービスケット』の競馬のシーンは、ガウガウ吠えながら観戦。

実話に基づいた競走馬と騎手と調教師と馬主のお話。一度は傷つき、挫折した馬と人たちが縁あってひとつのチームとなり大成功を収めるものの、不運にも馬と騎手が再起不能にも思える負傷。しかし、馬も騎手も再起し、奇跡の勝利を勝ち取る。画像は、その馬「シービスケット」の再起レースでの勝利の瞬間。

ケガをしたからって命を奪うことはない。失敗したって2度目のチャンスを与えればいい。挫折や失敗から、人も馬も、互いに癒しあって立ち直ることができるんだ。

「なぜそんなに怒るんだ?」、初戦に負けて激怒する騎手に馬主が穏やかに言うセリフがとても印象的だった。実話をもとにしていて、原作は400万部のベストセラーで読み継がれているのだとか。ぜひ、探して読みたい。




     
2004/12/12(日)
若さの秘訣:ワクワクドキドキ
「他のどんなオモチャよりキミが好き」
「イルカのピーピー、好き」


アルは、このイルカのピーピー(と鳴る)おもちゃが大好き。くわえた時の大きさ、噛んだ時の歯ごたえがちょうどいいのだろう。ヒレや尾の出っ張り具合も気に入っているのかもしれない。しかし、寝床に持ち運ぶ・・・という可愛がり方はしていないようだ。

今日の「あるある大事典」で、若さの秘訣は性ホルモン、と言っていた。豊かに分泌させる秘訣は「4つのK」。興味関心・筋肉運動・嗅覚・恋。ホルモンの分泌がストレスで急減することは、自分の体で実感しているだけに、大きくうなずくことばかり。27歳の頃のストレス激太り(ひと月で10キロ増)、疲れやすくて10歳は老けていた29歳の頃・・・。

現在、運動は週に3回ジム通いしているぞ。興味関心があれば、すぐに行動しているぞ。嗅覚は、・・・甘い香りのお香でも焚こうかな。残るは、・・・恋。リアルの恋でなくても、バーチャルでもなんでもいいんだそうだ。

見つけよう、ワクワクドキドキ体験っ!




     
2004/12/13(月)
知る人ぞ知る
「うっとり・・・なめなめ」
「アタシだけが知っている〜」
「ちょいとオツな味」


本棚の前の、コート掛けのそばのじゅうたんのある部分は、アルのお気に入り。何の味がするのか、うっとりとなめていることがある。・・・ママの味がするんだろうか?

夢屋書店(レンタルビデオ店)に自転車で行った。行きは良い良い帰りは怖い・・・同じ道を通るのはイヤイヤ〜とのんびり自転車をこいでたら、北に向かっているつもりが西に向かっていたようで、とんでもないところに出てしまい、別の道を通って東に引き返し、適当なところで左折し北へ向かった途端、「うわっ!この家だっ!」と、偶然にある家を発見した。昨日メル友さんが送ってくれた画像の「年々派手になるクリスマスイルミネーションの家」である。ご近所では超有名なお宅に違いない。

・・・う〜〜ん・・・泥棒よけになるだろうなぁ・・・。

偶然、ということはないのだそうである。ということは、私は、無意識にしろ、その家を探していたんだろうな。




     
2004/12/14(火)
明日のために今日も寝る
「アルは寝てばっかり」
「・・・と思ってるでしょ〜」
「実は・・・そうなんです」


昨夜のアルは、こんな風にソファで寝なかった。ソファに座る私をじーーーーーぃぃぃぃっと見上げていた、ずっと。何を訴えていたのだろうか・・・などと考える必要もないくらいに答えは簡単、ただひとつ。「腹減った、なんかくれ〜」である。昨日は散歩量が多く、夕食が少なかった。

今日は、散歩量が少なく、夕食が多かったということになる。今日は、アルの相手をしたのは私ではなく父だったからだ。私はといえば、午前中、2階の自室で机に向かい窓に目をやった途端、汚れきった窓ガラスと窓枠が気になり、掃除を始めてしまった。10月の「整理整頓やり直し大作戦」で出てきた古布を適当な大きさに裁断したものを掃除用にためておいたが、その布と割り箸と爪楊枝と酢水を入れたスプレーボトルとバケツを持ってきて、窓枠の汚れまで徹底的にかき出し、ピカピカに磨き上げた。それから、好天と暖かいのを幸いに、以前から気になっていた脱衣所の窓もピッカピカに。終わったのが5時。たま〜にやるからこんなことになってしまうのね。




     
2004/12/15(水)
所有は束縛、なのね
「・・・アルのベッドは?」
「全部、ブックオフに持っていけば?」


昨日、2階の自室を片付けた。10月に整理整頓大作戦をしたにもかかわらず、片付け方が「甘いっ!」のが自室であった。30冊ほど、ブックオフ行きの本が出てきた。午前中、持って行ったら2000円に。1階の書斎の本棚も片付けることにした。本棚の本を全部出して、「ふんばる君」をかませることから始める。午後2時半、片付けスタート。

「アタシは、どこでも眠れるの」
「マイベッドで眠れるんならどこででも」


アルのベッドをリビングに退避させて、片付け開始。どうなることかと思ったが、途中、夕食の支度と片付けで中断したが、無事午後9時に終了。またもやブックオフ行きの本が、数十冊。ゴミがスーパーのレジ袋に2袋。

ええーーーぃっ、スパーッと全部捨てちまえぃっっ!・・・と、アルに言われているような気がする。




     
2004/12/16(木)
暖冬の功罪
「あったかいねぇ・・・」
「アタシは好きだよ、暖かくて晴れてて、でも暑くないから」
「だけど、いつまでも毛が抜ける」


コーギーは、一年を通して抜け毛の多い犬種だが、それにしてもブラッシングをするとこんもりと毛がたまる。身が引き締まるほどの寒さを感じると数日で、アルの被毛は分厚さを増し、冬に備えるのだが、このように暖冬だと、アルに触ってみても、被毛の分厚さよりもおデブのアルの存在感が増すばかり。

コートが売れなくて、早々とコート割引バーゲンだとか。・・・秋口にコートを買っちゃった人はどうなるのよ、まったく。

暖かいので、あちこち掃除をしたくなって、一日中なんだか忙しくて、自分の用事はついつい後回し。今日も、午後3時半からジムに行って、大急ぎで1セットだけこなしてきた。山芋や大根をすりおろす時に、途中で休憩せずに、一気にすり下ろすことができるようになって、ジムでの筋トレの効果を実感し、ますますジム通いが嬉しくなった。




     
2004/12/17(金)
こんな日もあるさ
「寝起き〜」
「調子悪〜〜ぅ」
「ネーチャンのせいだ〜」


朝からアルが変だった。起きてきたのは9時過ぎ。ダイニングに入ろうとしない。用足し散歩も「ホントは歩きたくないけど・・・」と言いたげな様子で、「絶対ウンチしたいのよコース」に向かう。帰宅後、アルは室内に入ろうとせず、食事をしたがらず、車庫前に陣取る。なにやら浮かぬ顔のアルの様子は、「気持ち悪いよ、吐いちゃおうかな」と言いたげ。実際、2度、胃液らしきものを吐く。今回は、内容物に出血は見られない。

・・・食べさせすぎか、・・・夜更かしの私に付き合って寝不足か、・・・昨夜ちょっと冷え込んだからか。結局、今日はオヤツなしのドライフードのみを与えた。夕方になって、ようやく、いつもの元気なアルの片鱗が出てきて、安心した。

札幌は吹雪らしい。名古屋も今日はさすがに冬らしく冷たい風。先日の美容院で、はからずもツンツンショート河童ヘアになってしまった私は、20年前のキャスケットを引っ張り出して頭をすっぽり隠し、名古屋で用事を済ませ、帽子売り場に寄る。河童ヘア隠しにと、いろいろ試していたら、帽子売り場の若い女の子に、「ぜひコレをかぶってくださ〜い、似合ってますよ〜ぉ、ジャストサイズですっ」、と勧められたハンチングを購入。素直な私。ワハハハハ。




     
2004/12/18(土)
スズメの寝床
「お久しぶり〜、オカーサン」
「昨日以来だよね〜」
「じゃあね〜、アタシ、これからまた寝るからね」


アルは今日もやっぱりぐうたらしている。年取ったねぇ、アル。マイペースだねぇ、アル。

風のない午後、アルとのんびり散歩。アルは田んぼに入りたがる。田んぼにはワラが残っていて、夜にはスズメが寝床にしている。ワラに体をすっぽりうずめて寝ているようだ。そこかしこに直径7、8センチほどの穴がある。アルはそのひとつひとつに鼻をつっこみ匂いをかぐ。そしてようやく安心して、田んぼのあぜ道にはい上がる。

午後2時半過ぎると車庫には日が当たらなくなるから、アルは部屋でネンネする。スズメを追いかけ走る夢でも見てくれていたら嬉しいな。

どんなに完全な医療を受けようとも、人は死ぬ時には死ぬのだな、と、高松宮妃の死去の報に接して思った。




     
2004/12/19(日)
あなたが好きなものは私の苦手なもの
「オカーサン、好きだね〜」
「・・・ガーデニング、手伝おうか?」
「穴掘りなら、アタシの得意科目だよっ」


母はガーデニングが大好き。私は嫌い。アルは穴掘りが好き。私も、子どものころは穴掘りが好きで、よく落とし穴なんぞ仕掛けたものだ。(おいおい・・・)

よく手入れされた庭園を見学するのは好きだ。和風庭園などは、全体が絵のようで壮大で、見ている自分がどんどん小さくなって存在しなくなる感じがして、とても好きだ。でも、ガーデニングはいやだ。間引いたり、切り取ったり、植え替えるための決断ができないから。

自然相手の仕事、こどもに教える仕事が自分に向いていないと感じるのはガーデニングをする母を手伝う時だ。




     
2004/12/20(月)
寝るより楽はなかりけり
「あ〜、極楽ゴクラク」
「おなかもいっぱい」
「アゴ枕もいい感じ」


窮屈そうに見えますが、気持ちよいのか、この態勢のまま1時間ほどぐっすり眠っておりました。

ぐっすり眠れるということは幸せなことです。うちの母なんぞ、蕁麻疹だか湿疹だかで、かゆみで目を覚ますほど。皮膚科の薬はステロイド剤。これは症状を抑えるだけで、体が自力でステロイドを作り出す能力を奪ってしまい、ついには薬でも症状を抑えきれなくなるという恐ろしいもの。皮膚科の先生は「この薬は1年以上使ってはいけないんですけどねぇ・・・、効かないんですねぇ・・・」と処方したくないけど、他には効果的な方法がないらしく、仕方なく処方している、という・・・ある意味無責任、ある意味正直な方であるのだが。ここ数日の睡眠障害を見て、今までのやり方では限界がきた、と感じ、漢方治療を始めることにした。ネットで見つけた漢方薬局で丁寧な問診等を受け、舌を診て、脈を取ってもらい、せんじ薬を処方してもらった。煎じ器もついでに購入。薬草の匂い、結構好きです。

直すのは薬ではなくアナタ自身ですよ、と言われて、母は頑張る気になっています。




     
2004/12/21(火)
タダより怖いものは無し
「右よし、左よし!」
「大至急、行ってきまっすー!」
「いただきもののおすそ分けっ!」


頂き物の季節である。父は家庭菜園を楽しむ友人から野菜をもらってくるし、日本舞踊を教えている母には山海の珍味が届く。(私とアルには何もこないが。)昨日は、殻付きの帆立貝が山ほど届いた。半分以上、誰かにおすそ分けで持って行くことになる。・・・あ、もらった数の子が手付かずで冷蔵庫に入っている。どーするんだ、あんなにたくさん。あれも持っていってもらうんだった・・・。

『大至急』と黒ゴシック体で太々と記された封筒が配達された。「賞金管理事務局より特別なお知らせ」だそうである。海外宝くじにあたるかもしれないチャンスをアナタのものに、というお知らせである。・・・アホか・・・。海外の宝くじを日本国内にいながらにして買ってはいけないのだから、これはサギだ。この手のお知らせは、なぜかいつもうちの母宛てに届くのだ。この前は、「車が当選しました!」との知らせが来た。応募してもいないのに当選なんかするもんか。「奥様でいらっしゃいますか? 今、○○を取り付けていただくと、補助金が○○万円もらえます」との勧誘電話もよくかかる。・・・まったく。

母は狙われている・・・。昼間、家にいる人は狙われている・・・。




     
2004/12/22(水)
全員集合!
来年は酉年なので、うちにいる鳥たちに全員集合してもらいました。もう一羽いましたが、アルの遊び相手になっていたらしく、粉々になっていました。・・・あぁ。

「だって、口にすっぽり入って、噛み具合が楽しかったんだもん」

年賀状作成、8割がた終了し、ほっとしているところです。




     
2004/12/23(木)/
暖かいのも好き
「ハイ? アタシはここよ」
「だって、ここが一番気持ちいいんだよ」


朝、起きてくるとアルは、(我々のスキを見計らって)リビングのソファの上に飛び乗り寝直す。時折、画像のように、アルに場所を譲った父が後ろのデスクにむかっている場面が見られる。アルにとっても革の座面は冷たいらしく、ムートンの座布団の上に乗りたがる。「アルの毛がからみつくから、ダメッ!」なのだけど。

アルは、今日みたいに、晴れて風の冷たい日に、外をブラブラするのも好き。そして、あったかい部屋で寝るのも好き。




     
2004/12/24(金)/
ご飯より大事なこと
「ちょっと待って! もう一回確認っ!」
「アイツはここにいたのよ」
「それからあっちに行ったの」
「・・・モグラはどこに」


霜が降りた朝、アルは枯れ草の中、熱心に何かを探します。警察犬のように匂いをたどり、また元の位置に戻って、念入りに鼻を突っ込んで匂いを嗅ぎます。土がモコモコした様子から察するに、モグラが活動した跡地らしいのです。「ご飯にしよう、帰ろうよ」と声をかけても、それどころじゃないでしょ、といった様子。

食うことよりも大事なことがあるのね。食うことすら忘れ、一心不乱に何かに打ち込む。その何かのために、体を維持しなければならないから食べるのね。・・・そうだね、私もそうありたい。




     
2004/12/25(土)
ちょっと吠えてるだけ
「遠吠えの練習?」
「遊びで吠えるのもおもしろいね」


消防車や救急車のサイレンに合わせて遠吠えをするワンコは多いのに、アルは遠吠えをしない。「わぅわぅぅぅ〜、って言ってごらん」、「上を向いて、おぉぉぉ〜〜ん、って言ってごらん」、と指導すると、アルは私の顔を見ながら真似をしているつもりのようで、ワンワン言う。近頃、ワンワン以外にも、「あうふ〜〜っ、がうふぅ〜〜っ」と今までと違う発声もするようになってきた。ピアノに合わせて歌を歌う奇跡の日も近いぞ!

今日はクリスマス。宗教的意味合いは知らないが、ケーキは無事に食べ終わった。名古屋では、「クリスマス頃、名古屋駅周辺でテロが起きる」というデマが飛んでいた。デマの元は、アラブ系の外国人だとか。インフォシークのニュースによると、大阪でも同様なデマが飛んでいるらしい。デマ元もやはり同様らしい。・・・何があっても、行かねばならぬところへは行かねばならぬし、何かの目にも遭う時には遭わねばならぬようになっているのだ・・・。




     
2004/12/26(日)
油断できない関係
「ネーチャンをどう思ってるかって?」
「そうねぇ、オトーサンみたいなボスではないし・・・」
「オカーサンみたいにホッとできないし・・・」
「持ちつ持たれつの気になる関係ってとこかな」


ここにおいで、と母が言うと、アルは素直にそばに行き、母にもたれてネンネする。私が同じ事を言うと、「・・・アンタ、何する気? 耳掃除? 歯のチェック? やだ〜」とでも言うかのように、しかし、ネーチャンの言うこと聞かないと何にももらえないし、でもやっぱりイヤだし、と迷った顔して、私から目を離さずに、その場にそろりと腰を下ろす。

私とアルとの間にピィィ〜ンと張り詰める勢力争いの緊張の糸っ!

犬も10歳過ぎると、人間を見る目が肥えてくるようだ・・・。




     
2004/12/27(月)
季節はずれの花?
ちょいと京都を見物してきた。京都駅から、市バス205号系統に乗り、金閣寺道で下車。いつも観光客でごった返す金閣寺も、年末のこの時期はさすがに人出は多いとはいえない。金閣寺の茶店でいただいた落雁がおいしかったので、これを何箱か購入。お年賀に使おうっと。そこから59号系統のバスで龍安寺へ。石庭も良いが、「吾唯足るを知る」を図案化したつくばいと侘助椿の古木もまたなかなかの風情。(もちろん、椿はまだ咲いていない。)龍安寺の庭にも何の花だかピンクのかわいい花が咲いていた。この池では、鴨が一羽、岩に上がって羽をつくろっていた。続いて訪れた御室の桜で有名な仁和寺にも、一本だけ花をチラホラつけた桜の木を見た。木がうっそうとしたところを歩くと、ホッとする。つくづく、「山派」だと自覚する。




     
2004/12/28(火)
ストーブの前が好き
「暑くないよ」
「うん、熱くもないよ」
「エアコンは嫌いだけど、ストーブは好き」


画像では寒々しく見える貧相な石油ストーブですが、実際は赤々と燃えております。ふと気づくと、アルはストーブのまんまえで寝ているのです。犬は毛が分厚いから、地肌までジンワリ温まるのに時間がかかるのでしょうか。表面の毛が焦げそうなくらいに熱くなっていても、平気な顔してストーブのすぐそばで背中を向けて座っていたりします。

外につながれたまま、くるりと丸くちぢこまって寝ているワンコを見ると、悲しくなって目を背けたくなりますが、飼い主に対して猛然と腹が立ちます。私の思うとおりの犬の飼い方をしていないからです。犬は寒空でも平気だと思い込んでいる飼い主は「大馬鹿者よっ!」と腹が立ちます。明らかに病気で具合の悪そうなワンコを寒空の下、ひとり庭先で過ごさせる想像力欠如の大馬鹿な飼い主に腹が立ちます。

私って傲慢・・・。




     
2004/12/29(水)/
眠れない理由
「んごっ・・・(アル爆睡中)」
「ん? 何? 何か心配事?」


番犬としての使命に燃える夜間は、かえって熟睡していないと思われる。だから、昼寝でこその爆睡であろうか。

くわっっ!と胸が燃えるように熱く感じ、そうやって目を覚ましたが最後、まどろむこともできずに闇に目を見開き、ああでもない、こうでもないと悶々とする日々もあった。近頃はそれほどの不眠はないが、時折どうでもいいこと(あるいは、どうにもならないこと)が私の眠りをさまたげる。

つい先日のスマトラの大地震は、少し前に読み返した『方丈記』の記述や、ここ数年来の自然災害や内外の大事件、戦争などと重なり、波乱の中に私たちはあり、さらに大きな波乱が待ち受けていると感じさせた。いろいろな国(例えばアメリカや中国)が、自国の利益を守るためにあらゆる努力をするのをここ数年で見せ付けられてきた。エネルギーをめぐって手段をいとわない大国たちの牙を見てきた。この国の政治はこの国を守ろうとしているだろうか。ロマンティシズムに浸ってはいないだろうか。

そんなことで眠れなくなるなんて、私はかなりの馬鹿者である。




     
2004/12/30(木)
今日の狙い目
「大根?」
「いいねーっ! それも好きだよ!」
「いくらでもいけるねっ」


おせち料理は買うことにしてから何年にもなるが、「数の子と大根」だけは毎年作らねばならぬ。(母が。)数の子の塩抜きと薄皮剥きは12月30日に、漬け込みはその夜からになる。

アルにとってはチャンス! こうやって待っていれば、切りたての大根をもらえるのだ。シャキシャキとうまそうな音を立てて、生の大根を食べている。「もういいのっ、おしまいよ。お・し・ま・い!」と言っても納得せずに、漬け込みが終わるまでスキを狙っているらしい。丸ごと一本でも食べそうなくらい、大根が好きなワンコである。




     
2004/12/31(金)
今年と来年の間
雪からミゾレに変わりましたが、まだ雪の姿が残っています。こういうべちゃついた雪はアルには嬉しくない。というわけで、あいも変わらず、人間にぴったりくっついて昼寝しています。

掃除も終わった、おせちも届いた。忘れちゃいけないのが姪っ子たちへのお年玉の準備。準備するたび思うのは、その昔、10人超の孫たち、甥っ子姪っ子たちへのお年玉を準備しただろう田舎のじいちゃんばあちゃんおじちゃんおばちゃんたちのこと。大変だったろうなぁ。

さてもさても、2004年も残すところあとわずか。縁あった方々へ感謝しつつ、今年最後の日記といたします。



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