『怒涛の鯨のタタキ』
2005年9月の日記



またもや天変地異の秋がやってきた。
危機を感じ取る嗅覚・感覚を育てようと思った。
いざという時は、歩けないワンコをかかえて
逃げなくちゃ、生きなくちゃならないから。

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2005/9/1(木)
コーギー特有の・・・頑固さ?
「・・・アイソメトリックスでトレーニング中、と思ってちょうだい」
「え? ササミジャーキーくれるの?」


前足にぐぐっと力を込め、あくまでも前進を拒否するアル。ムリはさせたくないけれど、楽をさせすぎるわけにはいかないのだよ。

週に一度のヨコイ動物病院。状態は悪化してはいないけれど、もちろん改善してもいない。進行を食い止めている状態だ。「14歳のコーギーで、膀胱炎になったあと、後ろ足を引きずるようになった」というメールをもらったので、「うちのアルと似てますね、膀胱炎が椎間板ヘルニアの引き金になるんですか?」と聞いてみた。先生が言うには、「むしろ逆ではないだろうか。椎間板ヘルニア、というか、神経の働きが阻害されて、膀胱の働きが悪くなったのではないかという気がする」、と。なぜなら、「レントゲンで見ても、ココが椎間板ヘルニアだ!と指摘できるほどひどい状態ではないのに、後ろ足の筋肉が弱って立てない、という状態のコーギーを、実はもう一匹診ている。コーギーに特有の何かがあるのかな、という気もする。筋ジストロフィーという病気があるけれど、それじゃないけど、そういう、つまり椎間板ヘルニアが原因でないなにかが・・・。今のところは、血行を良くする『プロレナール』錠が効いていて、進行を食い止めているんじゃないだろうか」、と先生は言う。

そう、後ろ足の筋肉の衰え、アルもそうだ。後ろ足を引きずり出した頃から、急速にアルの後ろ足は萎えた。それを食い止めようと、歩行車を装着して、トレーニングさせているのだが。「よくなろう!」とする動物本来に備わっている力、パワフルに引き出してやりたい。




     
2005/9/2(金)
備蓄
「♪アルの靴下〜〜♪」

スーパーに行ったら、夏の終わりのバーゲン中だった。子供用の靴下が一足98円っっ! 21足買い込んだ。これでしばらくは安心ね。

アメリカではサイクロン被害が大変なことになっているが、日本では刻一刻と東海・東南海・南海大地震のその日が迫っている。昨夜、NHKの特集を見た。紀州沖に地震の発火源となりそうな場所があるらしい。だから、ふたつ、あるいはみっつの地震が必ず連動して起きている。3つとも連動して起きたのは、1707年の宝永の大地震が最後。この時は富士山も大噴火。この前後のことをちょっと調べてみた。

宝永2年、京都を中心にお蔭参りが大流行する。
宝永4年10月 遠州灘・紀州灘でマグニチュード8.4の大地震(宝永の大地震)
宝永4年11月 富士山が最後の大噴火。宝永山が出現 。
宝永5年8月、イタリア人宣教師ジョバンニ・シドッチが屋久島に上陸し、捕らえられる。

再来年の2007年は、宝永の大地震から300年。なるほど、いつ発生してもおかしくない。

アメリカのサイクロン被害のニュース映像で、逃げたくても逃げられなかったと思われる大きな大きな体のご婦人が、数人がかりで救助されるのを見て、足腰は鍛えておこう・・・と思った。




     
2005/9/4(日)
目新しいもの
「さっきの変なの・・・片付けてくれた?」

手袋型のピーピー人形、アルは怖いらしい。いつものピーピーおもちゃ達よりサイズが3倍ほどでかい。得体がしれない・・・と思ったようで、テーブルの下に隠れてしまった。

今日は、非常に疲れてしまい、疲れると甘いものを欲しがるというが、今日の私は、「どーーーーしてもラーメンを食べたいっ」と感じ、名古屋駅のタワーズビル13階の「江南」に寄った。いつもは行列が長いのだが、夕方5時という半端な時間のせいもあったか、カウンター席がちょうど空いてた。実は初めて入った店なのだが、うまかった。どんぶり持って、汁まで飲み干したっ!

でっかい台風14号、お願いだから、早めに消滅してっ!




     
2005/9/5(月)
雨の日は困るね
「遊べ〜、遊べ〜、アルと遊んでくれ〜〜〜」

どんどんやってていいぞ、アル。新聞紙ならいくらでもあるから。可愛い顔して、若く見えても、10歳と10ヶ月のアルは、超マイペース、体調が完璧でない時は、ひどく気難しい。何か用があると、自分は動かずに、「ちょっと! こっちに来てよっ!」と呼ぶ。叱られると、「わかったよっ!」と、ウッワッと吠える。・・・どっちにしろ吠えるんだな。さて、アルはこのあと、新聞紙をビリビリに引き裂き、部屋いっぱいに広げた。ま、それも良かろう。

今朝と夕方の散歩では、雨のために公園をぐるぐる回っただけだが、オシッコだけ。ウンチ、してない。昨日も今日も、食べる量がちょっと減っているので、そのせいかもしれないが。この新聞紙引き裂き行為が、「ウンチしたいんだけど、巣(書斎)の中でウンチするのはイヤだ〜〜〜、でもウンチしたいよ〜」と、気を紛らわすための行為だったら・・・どうしよう。




     
2005/9/6(火)
台風14号
「風が強いねぇ〜」

直撃を受けている九州や暴風圏内の地域はいかばかりかと想像させる、そんな強風が、午前10時半頃から吹き始めた。風の音に反応して吠えるアルは、いったん外に出ると、こんな日こそ、いつまでも外にいたがる。こんな日は、私は息苦しいので苦手なのだが。

名古屋でも、今夜から明朝にかけて、台風の影響が強まるらしい。2階の自室の窓には風が当たる・・・怖い。今夜は階下のアルの部屋に泊まろう・・・。




     
2005/9/7(水)
避けられないのか?
「お散歩に行ってきまーーす!」

車に乗っている時だけは、実に上機嫌ね、アル。いつもそんな風に可愛いワンコでいてもらいたいものだ。

アルより4歳半年上のハスキーが2匹いる。とてもきれいな銀色の、ハンサムなルークとタク。ルークの具合が悪いとは聞いていたが、タク君が急死していたとは・・・。尻尾をピンと上げて、きりりと引き締まった体で、さっそうと走っていた、あのタク君が。あっという間に過ぎ行く年月。今日を丁寧に生きなきゃね、アル。とりあえず・・・丁寧にご飯を食べようか。今日は、豚肉とキャベツとニンジンとカボチャと煮干を煮込んだよ。薬もカボチャに忍ばせたから、ペロリと食べてしまってね。




     
2005/9/8(木)
アルはおとなだもんね
「・・・飛び降りちゃおうかな」
「逃げたい・・・」


本日のヨコイ動物病院の診察台上のアル。まだ診察前なのに怖くてたまらず、すっかりへたり込んでいる。大人になったわねぇ・・・。しっかり抱え込んでいるにもかかわらず、私の腕からウナギのようにすり抜け、診察台から飛び降りて逃げていた若い頃がウソのようだわね。

今年もまた、人間ドックの結果の「要精検」の用紙を持って、杉田眼科に行った。眼圧は10と11で、とっても低いのだが、眼底写真が異常なのだ。近い将来の緑内障を約束されたようなものだな。これは母からの遺伝だな。視野検査の結果、異常なしなので、また半年後の再診を約束して帰宅。

強烈な陽射しの中を外出したせいか、ぐったり。夕方には、(更年期のせいか)めまいもして、さらにぐったり。こういう時は、ゴーヤ料理だなっ。もらったゴーヤと、ベーコンと、豆腐と卵で、ゴーヤ炒め。カツオダシの素をうまく使うのが味付けのポイント。大好き。




     
2005/9/9(金)
自在な暮らし
「眠い時が寝る時なの」
「雨が近い時は、とっても眠いの」


アル、大当たり。夜になって、ザーッと一雨。

アルを夜中に吠えさせない方法はひとつしかない。それは、私がアルの部屋に泊まること、である。家族の安眠のため、昨夜はアルの部屋に泊まったのだが、昨夜のアルは、変だった。アルにしか見えない何かを見ているかのように、座り込み、何かを注視しているのだった。そうやって夜中に起きてれば、そりゃぁ昼間は眠たかろうねぇ。

さっきまで20分ほど、ピーピーオモチャ(ヒツジと犬)でアルと遊んでいたけれど、突然の雨で、窓を閉めていた間に、アルはハウスに入って寝てしまっているじゃないか。10分もするとハウスから出てきて、今度はこうして、座布団を枕にゴロリと寝てしまった。自由自在だねぇ、アル。




     
2005/9/10(土)
江戸っ子
「靴下、破れちゃったよ」
「繕っといてねっ」


靴下に穴があくのに、時間はかからない。ほんの10メートル歩けば破れて始める。そこで、前後を逆にして靴下を履かせ直す。歩き始めに比べると、次第に歩き方が上手になるので、今度はそう簡単には破れないが、それでも、帰宅してみると、またもや大きな穴があいている。これを繕って、また破れたら、さらに繕って、フェルト布や他の布で補強して、使い切る。

杉浦日向子さんの本によると、「もったいない」が江戸の基本理念。物を見れば、その背後に、作り手・売り手・直し手の三つの顔が浮かび、だから物を大切に扱ったのだ、という。リサイクルは当たり前という江戸時代人の合理的な生活習慣、見習いたい。




     
2005/9/11(日)
あくびの理由は
「あ〜、散歩かぁぁぁぁ」

ワンコがあくびをする時、「ふぁ〜っ、よく寝た〜」、「眠いよ〜ぉ」、「緊張するなぁ、どうしよう」・・・こんな場合が考えられる。今日のアルのこのあくびは、どういう意味だろう。

アルが耳をカイカイしていたのでチェックしたら、左耳の中がブツブツと水ぶくれ状態で、血と汁がにじみ、いかにもかゆそうな状態。ノミかダニか、と体中をチェックしたが見つからない。外用薬のステロイド剤を塗ってやり、さっそく掃除。ここ数日、掃除をサボっていたし、と反省しつつ、書斎のカーペットの下も掃除機をかけた。アルの夕食には、ここ数日投与しなかった抗生物質のカプセルを豆腐に仕込んで与えた。夜、耳の状態をチェックすると、昼に発見した時よりは、枯れた感じになっている。もう一度、綿棒で薄く外用薬を塗る。明朝の様子しだいでは、動物病院行きだ。




     
2005/9/12(月)
万博に行ってきました
「万博〜、万博〜」
・・・と、お友達と一緒に行く予定で前売り券を買っていたけれど、体調を崩して行きそびれていた母にせがまれ、ついに万博行きを決行。事前のリサーチで、10時ごろに入場ゲート前に到着すると、スムーズに入場できると知り、自宅を8時半に出た。

金山駅で名鉄からJRに乗り換え、エキスポライナー780円で万博八草駅に向かう。満員の電車で約30分。途中、病み上がりの母はしゃがみこむ。(おいおい・・・。)万博八草駅を降りて左に行けば、シャトルバス乗り場、右に行けば「リニモ」、運命の分かれ道。・・・でも私は、目の前にタクシーが来ていたので、タクシー乗り場ではないのだけれど、まっすぐ、チェーンをまたいでタクシーに乗車。タクシー乗り場は、バス乗り場のさらに端。そんなところまで行けるかっつーの。710円で、東ゲート近くの東ターミナルに到着。東ゲート前の人の海に驚きつつも、私は入場券を買わねばならないので、券売所に近づくと、「すみませんが、チケット買ってもらえませんか」、と、50年配の女性に声をかけられた。「ほんとーにまともなチケットですね?」と念押しし、3000円で譲ってもらい、万博は2度目というその女性とおしゃべりしながら、入場待ちの列に並ぶ。よく見ると、「御招待券・非売品」ではないか。一部上場のとある飲料メーカー勤務のご主人が30枚ほどもらったという入場券は、大半を親戚友人に配ったが、最後の2枚をご主人と自分用にとっておき、本日二人で見納めに来る予定だったが、ご主人が急な会議で来れなかったというその人に、見所、休憩ポイントなど教えてもらった。

30分後にようやく入場できたが、すでに戦意消滅気味。案内所でもらった地図をああでもないこうでもないとひっくり返しつつ眺めながら、あっちかな、こっちかなとどこを歩いているのかわからずじまいで、日本ゾーンの長久手日本館に到着。170分待ち。・・・待たないで、とりあえず腹ごしらえだ、と、近くの西ゲート駅付近の食堂街で、11時10分ではあったが、「味噌カツ丼」1000円を食べる。事前リサーチではグローバルコモン4・5あたりは人が少ないはずなのだが、この状況ではそんなわけがなく、とりあえずその場に到着したものの、まっすぐに歩けないほどの人の波。とりあえず5分ほど並んで「北欧共同館」に入った。入ったと思ったら出口だった。ほんの数分間の日陰を楽しんだだけだった。イタリア館の入場者待ちの列は建物を2重3重に取り巻いていた。人気館はすべて、2時間3時間待ちがザラ。

暑かったが、地面からの照り返しやその熱を感じられなかったのは、地面の素材(木やチップなど)のせいか。回りが丘陵地という環境のせいか。ペットボトル2本の水とお茶、カキ氷1杯がすべて汗になり、2時半、「帰ろうよ」と母との意見が一致し、北ゲートからリニモに乗る。奇跡的に座れた。終わりよければ全て良し、ということで、日焼け止めを塗り損ねていた肩にくっきり日焼けの跡を残し、私の万博は終わった。




     
2005/9/13(火)
太る、痩せない
「それって、アタシのせいじゃないし〜ぃ」

そうなのよ。アルが痩せないのは、アルのせいじゃない。アルは与えられたものだけを食べているんだからね。アルは、コンビニでアイスを買うこともできないし、冷蔵庫や棚を開けることもできないし。カロリー計算しているのに、なぜアルは痩せないんだろ。アルは近頃、お昼ご飯を食べたがらない。「・・・いつものベジタリアンフードなら食べないよっ」と口が贅沢になっているだけなのかもしれないけれど。以前なら、薬はチーズに仕込めば簡単に食べさせることができたのに、今は、匂いをかぎ、薬を仕込んだ豆腐やチーズや竹輪やパンを避ける。だんだん難しくなってきた。

それはそうと、・・・なぜ私は太るんだろ。(食べすぎ!)




     
2005/9/14(水)
近づくのは敬老の日
「そこのけそこのけ、アルが通るよ〜っ!」

嫌なことはさっさと済ませて、さっさとおうちに帰って、玄関の内側で昼寝しよう! そんな勢いで、アルが大急ぎで散歩をすませる。ここ数日、近所の空き地にまた家が新築中で、午前中は特にアルの眠りを妨げる工事の音が響き、アルはとても不機嫌そうにワンワン吠える。そのアルの声がまたうるさい。そこで、私までが「アル、うるさーーーい」と吠えたら、もっとうるさいことになるので、吠えないようにしているのだが。午前中の昼寝不足をカバーすべく、あとはほぼ一日中眠りをむさぼるアル、すっかり老犬の日々ではないか。

歩行車なしで、きちんと歩く・・・そんなアルの姿はもうすっかり見ないねぇ。




     
2005/9/15(木)
お昼かおやつか、ごほうびか
「わ〜い、ガムだ!」
「いつもは夜にしかもらえないんだよ」


結局、お昼には、この「グリーニーズ」1本を与えただけ。暑さで食欲も衰え気味(でもおいしいものだけは食べたがる)で、ドライフードだけだと食べたがらないから、お昼は抜きだ。

今日は、ヨコイ動物病院に行く日。先客のダックスが診察室に入っている間、アルは、何を考えているのやら、深刻な顔。足腰は相変わらず。・・・というか、右足も少し衰えてきているように思う。ここ数日、夜中に突然起きて、カイカイしているのは、ノミやダニでなく、暑さのせいですね、ということだった。土曜日からの左耳のジュクジュクはやっぱり暑さのせい、いわゆる外耳炎。2度ほど塗ってやったステロイドが効いてずいぶん枯れた状態になっていたが、先生に耳の奥まで薬を塗ってもらった。

ピンセットと脱脂綿を入れた金属製のトレイが、診察台の上に、カチャンと置かれた。ハッと身構えるアル。「何コレ、今までにない状況じゃんっ!」、一瞬にして緊張するアルの口を押さえ、「先生、どんどんやってください」、と、暴れるアルをガッチリ抱え込む。「咬まれないように気をつけてくださいね」と言いつつ、先生はてきぱきと念入りに薬を塗布。そのあとの注射の時は、観念して「伏せ」して、おとなしくしているアル。最初から、諦めておとなしくしていればいいのにねぇ。




     
2005/9/16(金)
アルは頑張った!
「ほら、見て!」
「どすこいっ! だよ」


昨夜8時過ぎ、ドドーーーッと雨が降った後、とても涼しくなった。昨夜は、アルの部屋に泊まらなかったのだが、アルは朝まで吠えることなくおとなしかった。涼しくて気持ちよく眠れたのか、耳や体がかゆいのが収まって気持ちよかったのか。

朝の散歩のあと、しばらくは涼しい外にいたがり、郵便屋さんや配達のお姉さんに吠え掛かり、久々のワイルドな感覚を楽しんだり、いつもの玄関内の定位置で熟睡したりのマイペースの一日を過ごし、夕方の散歩では、アルの背丈より高い雑草の中に分け入ったりしながら、なかなかいい歩きっぷりを見せた。帰宅して、アルを玄関先に下ろし、ウンチをトイレに流し、歩行車やリードを片付けてから、アルを見ると、腰を落し気味ではあるが、しっかりと踏ん張って立ち続けていた。感動。




     
2005/9/17(土)
食欲は増すばかり
「ご飯、おいしかったよ〜」
「で、オヤツは?」


そうでしょうとも。今日は、スケソウダラとサツマイモを煮て、ドライフードにかけてやった。サツマイモに薬を仕込む。食事に満足すると、「ングァァァァングワァァァッ」と、体をカーペットにこすりつけ、満足ダンスを踊るのだが、今日も踊ってくれた。

一方我々人間の食事は、秋の味覚。今年は豊漁だというサンマの塩焼き。大和芋をとろろ汁にした。野菜は、またもゴーヤ炒めだが、今日は、シーチキンと鰹節を使った。大和芋をすり鉢ですりおろすと、しばらくは手や顔やあちこちかゆくなるのだが、うまいものを食べるためには仕方がない。魚料理の日は、匂い消しのために、片付け後に香炉を焚く。これまた、甘い匂いでちょっと幸せ。




     
2005/9/18(日)
疲れる理由
「アタシは健康だから昼寝してんの」

健康な人間は健康な眠りを得ることが出来る。アルも健康な老犬らしく、実に健康に眠りをむさぼる。

では私はどうか? 
起きた時に、疲れている。・・・あぁ。
座ると眠くなる。・・・うぅ。
電車に乗ると眠い。・・・はぁ。
体中に眠気が絡みつき、しびれるように重い体を引きずるように座席から立ち上がり、電車から降りる。こんなビョーキ一歩手前の運動不足を反省し、今日からまじめにウォーキングと真向法を実行する。夜、中秋の名月を見上げながら、まずは30分ほど歩いた。

今日は、「夏物でも冬物でもない、今頃から10月半ば頃まで使えそうな帽子が欲しいから見立ててくれ」という父の買い物に付き合った。近いうちに、呉に戦艦大和の10分の1模型を見に行きたいのだそうだ。ついでに、この難しい時期のジャケットとパンツも見立てた。これからのオヤジたちはおしゃれでなくてはならない。




     
2005/9/19(月)
ジジババっ子は3文安い
「やだ、歩きたくない」

私が夕食の支度をしている隙を狙って、父がアルと散歩に出かけた。チョロチョロッと散歩を適当に切り上げてごまかすつもりだなっ、と、2分で料理を仕上げて、デジカメを持って追いかけた。案の定、公園で立ち止まっている父とアル。「さー、行こうかっ、アルっ!」 しばらくは抵抗するも、ついには諦めて歩き始めるアル。ジジババは甘やかすからいけないねぇ。

今日は敬老の日だそうだ。65歳以上が全人口の20%。あと10数年すれば、この割合は25%となる。60歳以上の割合はどんなものなんだろうか。私が60歳になる頃は、きっと、70歳まで働くのが当たり前になってるんだろうなぁ。今、働いていない私は、70までなんていわずに、できれば一生涯働ける仕事をしたい、なんてお気楽に考えていたりする。




     
2005/9/20(火)
こんな物を・・・
「ドーナツ13個!」

否。ドーナツ盤レコード13枚。散歩の途中で、父が拾ってきた。なんで聴きもしないレコードを拾ってくるかなぁ・・・。

天地真理:恋する夏の日/花ひらく時
ヴィレッジ・シンガーズ:君を求めて/思い出はぼくの胸に
美空ひばり:思い出と一人ぼっち/むらさきの夜明け
湯原昌幸:雨のバラード/今にわかるわ
山口百恵:夢先案内人/春に吹かれて
ジュディ・オング:たそがれの赤い月/明日またねと言っちゃった
松平ケメ子:ケメ子の唄/私がケメ子よ
ザ・ダーツ:ケメ子の歌/ブーケをそえて
山本リンダ:恋の急行列車/ミニミニデート
ザ・タイガース:僕のマリー/こっちを向いて
麻倉未稀:ヒーロー/横須賀Break Dance
南沙織:純潔/素晴らしいひと
ザ・スパイダース:太陽の翼/空の広場

懐かしい顔ぶれ。私でも知っている歌手たち。知ってる歌は、天地真理の「恋する夏の日」と百恵ちゃんの「夢先案内人」、それと「ヒーロー」くらいかな。「ケメ子の歌」は思い出せそうで思い出せない。




     
2005/9/21(水)
コーギーは見かけは小型だが、実態は大型犬であることの証明
「車を置いて歩いて帰ってきたんだよね〜」

外に出るとうちのシビックがない。散歩から父とアルが帰ってきた。300メートルほど先の福祉会館前に車を止め、そばの公園を歩いてから、アルがうちに向かって歩き始めたのだそうだ。涼しくて気分が良かったのかもしれない。

約5万5千円だったこの歩行車、パイプを接続する部分の塩ビパイプが4ヶ所割れてしまった。ヤマペットさんが代替品を製作中で、10月の初めに届くことになっている。無料で交換してくれるということだったが、これから長い付き合いになるかもしれないのに、無料ではこちらが気が引けるので、修理費として5000円請求してもらうことにした。代替品が届くまでの間は、あちこちを紐で縛って、割れが広がらないようにしている。荷造り紐や、ピンクやグリーンのリボンなど、いろんな紐を総動員。

コーギーは見た目は小さいが、パワーは大型犬並みなので、かなり頑丈に作ってもらう必要があるのかもしれない。

「かわいい〜! 車椅子を使ってる〜!」
「あ! 靴下も履いてる〜! かわいい〜〜!」
・・・と、小学生に喜ばれて、アルは今日も散歩に行くのだ。




     
2005/9/22(木)
お散歩はおいしい
「お散歩っておいしいよね」
「歩かなきゃいけないのが、イヤだけどね」


最高気温が25度を切り、人にもワンコにも楽な季節になってきた。朝は雨模様だったせいか、9時過ぎまで寝ていたアル。ほぼ一日中食っちゃ寝状態で、夕方の散歩は5時半から。歩かせるために、父はビスケットを3枚ポケットにしのばせる。3枚も!

ビスケットに釣られて、いつも曲がる角を越えて、ほぼ一年ぶりの散歩コースにさしかかったアル。久しぶりの道だと思い出したのか、いつもと違う道だとわかったのか、頻繁に匂いをチェック、遊歩道の植栽のオシッコのかかっていそうな枝の匂いを一本一本かぎながら、一年半前までは軽々と飛び乗っていたベンチの足元の匂いをかぎながら、ずいぶん歩いた。明日も涼しいといいね。




     
2005/9/23(金)
道なき道をゆく
「うっひゃ〜、何なのコレ〜?」

あっという間に大人の腰の高さまで伸びた雑草の小道、草刈機でなぎ倒されていたので、舗装道路よりはアルの足に良かろうと通ってみた。・・・アルには、かなりの悪路だったようだ。

カトリーナに続き今度はリタ、ハリケーンがまたルイジアナとテキサスを襲う。大勢の人が、ろくな情報も与えられずに避難を命じられ、高速道路で立ち往生し、飛行場で足止めされている。日本だったら、避難するといえば、町内にある公共施設だ。そして、避難所は人々の手で、できるだけ清潔に保たれる。去年の12月のインド洋沖の津波被害の時、たとえばスリランカでは、高地にある僧院が避難所になっただろう。そこは大勢の避難民を収容しながらも、衣を着た坊さんたちが、穏やかな雰囲気を作ったにちがいない。武装した州兵たちに、市民が銃を向けられる異常さをテレビで見るにつけ、荒廃したのは華やかだった酒とジャズの街だけでないのを感じる。




     
2005/9/24(土)
上半身の力は負けないよっ
「はーい!」
「オトーサンが呼んでるっ!」


オトーサンはボス、オトーサンはドラエモンのポケット、オトーサンは甘い。

父に呼ばれたら、何が何でも足元まで行く。けな気なヤツ。私が呼んだ場合、「・・・なぁに?」と様子を伺う。・・・かわいくない。家の中では、歩行車をつけていないので、こうやって下半身を引きずってしまう。上半身に負担がかかるのではと思うのだが、相変わらず可愛い顔してヘロヘロと笑っている。やっぱりかわいいっ。

近頃、サプリメントを徹底して食べなくなってしまった。関節によいというコンドロイチンやグルコサミン、皮膚と被毛の健康にいいらしいBイーストも徹底排除の構えのアル。獣医さん処方の「プロレナール錠」だけは、小さい粒なのでなんとか食べさせている。「老化で足腰の弱ったワンコ」によさそうなサプリメントを見つけた。プラセンタエキスとビタミンEなどの入ったもの。(カプセルを割って中身を自分の肌につけちゃおうかと思うほどのとてもお肌によさそうな内容。)おととい注文したら昨日届いた。素早い商売。とりあえず、これを与えてみる。




     
2005/9/25(日)
強烈な夕日
「アルも食べてる、影も食べてる」

西に向かう散歩コースを諦めたほどに強烈な夕日。空気のフィルターがなくなったかのように強烈な黄金の夕日が、くっきりとした影を作った。ちょうど等身大の影は、いつもより生き生きと、分厚く、迫力があって、生命力さえ感じさせた。

影武者・・・と連想して、英語ではなんというのかしら、と和英辞典を引いてみたら、「double」。ダブル・・・なんか情趣に欠ける単語だな。「body double」、これは、役者の代役。ヌードや危険なシーンの撮影での代役のことだそうだ。




     
2005/9/26(月)
変化、出現
「モンローウォークは、コーギーのウォーキングスタイルなの」

歩行車が届いたのが8月3日。散歩を強化したのが、8月18日から。ようやく涼しくなったのが1週間ほど前から。新しい若返り用のサプリメント、「ビゴラス・サポート」を飲ませ始めたのが3日前から。これらを含め、その他いろいろな努力の効果が出始めたのだろうか。今日は、アルにいくつか変化が見られた。

(1)昼ごはんの時、玄関の定位置から台所まであがって来たアル、ふらつきながらも下半身を引きずらず、普通に歩いてきた!!!
(2)夕方散歩は、いつものように500メートル以上を歩いたのに、靴下が破れていなかった。つまり、足を引きずらずに上手に歩けた、ということではないか!

もちろん、足を引きずらずに歩いたのは、昼ごはんの時だけだった。あとは、いつものように、下半身をひきずって前進。変化は突然にやってくる。夢のようだ。これからも続けていれば、ひょっとしたら、いつかは歩行車なしでも歩ける日が来るのかもしれない。




     
2005/9/27(火)/
油断できない
「あっ! ピーピーがあんなところにっっ!」
「取らなくちゃっ!(エヘヘヘヘ)」


家族の安眠、近隣の人々の安眠のために、ここのところずっと私はアルの部屋で寝ている。書斎の隅にマットレスを敷き、寝床を作る。自分のベッドより狭いシングルサイズのマットなので、初めはずいぶん窮屈に感じたが、慣れてしまった。マットだけ敷いて、しばらくウロウロしていた隙に、アルが上に乗っていた。オモチャをポーンと放り投げて、それを取りにいく振りをして、実は私のマットに乗りたかったのだ。人間の言葉をしゃべることができるのなら、見つかった時には、「アタシ、オモチャを取ろうと思っただけだよぉ」、と、口答えすることだろう。・・・知能犯め。・・・可愛い。短い足をチョコンと見せたこの後ろ姿、コーギーの飼い主だけが楽しめる光景だと思う。

連続無差別発砲事件が相次ぐ。何年か前に、アメリカで高校生とその義父による銃による無差別殺人が起きたが、それを思い出した。車種・ナンバー・犯人の顔などはすでに割れていることだろう。人権だのなんだのとの反対論もまたうるさくなるだろうが、それでもやはり監視カメラの必要性を感じる。




     
2005/9/28(水)
慣れるかな?
「新しい歩行車だよ」

取替え品の歩行車が昨日届いた。まったく同じものではなく、少し大きめ。新しかろうと、少し大きかろうと、アルはまったくお構いなし。ソックスが両足とも破れたということは、両足とも引きずっている。アルの状態が悪化しているのか、新しい歩行車の脚支えリングの周囲が大きいので、その結果腰の位置が少し下がることになり、まだ自力で足腰を支えるほどには腹筋が強くないから、脚を引きずっているのか。しばらくしたら慣れて、うまく歩くようになってくれるだろう。

昨日、名古屋地方裁判所から封書が届いた。初めての体験。中から出てきたのは、「破産宣告の通知」! ええっっ、誰が破産したの? 私が? 書類を読むと、破産したのは、株式会社津ゴルフ倶楽部だった。昔、このゴルフ場がオープンするずいぶん前に、ゴルフ場の会員権を、せっせと貯めた財形を解約して450万円で購入し、10年たって、売却したのだった。(だから当然私は、債権者ではない。)ゴルフ場のバブルが膨らんでいた頃は、売却出来ない時期だったので、儲けることはできなかったし、ゴルフ会員権価格はまだ暴落していなかったので、損もしていない。20年ほど前のその頃は、プロゴルファーの岡本綾子に似ているとよく言われ、自分でもそう思い、ゴルフの練習もしたのだが、似ていたのは顔だけだったようで、80ヤード以上飛ばすことはついに出来ず、グリーンデビューすることもなく、ひと月でやめた。自分に似合わないことをした時期だったなぁ。




     
2005/9/29(木)
寝ても寝ても眠い
「ご飯の時は起こしてね」

いんや、起こしてあげない〜。

今日もアルは9時過ぎに起きた。それから散歩。散歩も靴下を履いたり、車を出したり、500メートルをゆっくり歩いたりの、アルのペースで時間が過ぎた。アルは10時過ぎにようやく朝ごはん。それからしばらくして、ヨコイ動物病院へ。今朝、アルが左足裏を気にしていたし、散歩の後、足裏を拭いていたら、いつもより強くビクビクと反応したので、先生に診てもらったら、「いい反射が出ている。左足の感覚がよくなっているようですね」、とのこと。5日前から飲ませ始めた「ビゴラス・サポート」の効果かも、と、そのことを報告した。このサプリメントだけでなく、歩行車や「プロレナール錠」などいろいろな試みの相乗効果だろうと思う。

足腰の鍛錬には、歩行車だけでなく、背骨に負担のかからない方法として、水中での運動を薦められたが、ワンコ用のプールはないので、自宅の風呂を利用するしかあるまい。週に1度か2度、熱すぎず冷たすぎず、ちょうどいい温度の温水に設定して、ジタバタと泳がせてみよう。そーだっ! そして、来年は、川遊びや海水浴に連れて行こう!




     
2005/9/30(金)
思い通りにいかなくて
「今日は、一度も車に乗れなかったんだよ」

散歩が終わって、体を拭いてもらって、家に入れてもらったけれど、しばらくその場から動かずに、廊下の突き当たりの隅っこで、なにやら不満げな顔のアル。散歩に行く時、うちの車のそばを通る時に、「え? 車に乗るんじゃないの??」、とでも言いたげに、車と私の顔を交互に見る。「車には乗らないよ、歩くんだよ」、とリードを引っ張ると、「それじゃ、アタシ歩かないから」、と、力を込めて抵抗するのだ。

地震の特番を見た。そうなのだ、地震がいつ来てもおかしくないのだ。気がつけば、また机の回りはしっちゃかめっちゃか。緊張感がゆるんで、モノがあふれ、家事に飽きて、なにやら刹那的。これではいけない。明日、書斎を片付け、避難グッズを確認しよう。アルと自分自身のために。




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