『怒涛の鯨のタタキ』
2006年2月の日記



飼い主も受けたことのないCT検査とMR検査・・・I、
全身麻酔で受けたアル。
その結果、椎間板ヘルニアでないことがわかりました。

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2006/2/1(水)
一生懸命
「アタシがシアワセかって?」
「うへへへへへっ」


歩行車で散歩に出るたびに、「かわいそうねぇ」、「頑張ってね」、と声をかけられるアルは、いったいどう思っているのかな、と。「かわいいね」、「好き好き」というふうに聞こえているのかもしれないな。午前中、外ではオシッコしなくて、家の中に入れたら、ペットシーツの上でオシッコして(もちろん、ちょっと外れたカーペットの上にもオシッコして)「ワンッ」と教えていたらしい。

午後は、雨の中1時間半ほどもうろうろして、「田んぼの中に入れてくれなきゃ、オシッコしてやんないっ」と言ったらしく、ついに要求を通したらしい。しかし、ウンチは、私が帰宅して夕食を済ませてから、台所とリビングに立派なのを3個落として、「ワンワンッッ」と教えた。ワンコが吠えるのには理由があるんだよね。




     
2006/2/2(木)
好きなことが自分を生かしてくれる
「私の好きなこと・・・?」
「んーーと、んーーと・・・?」


「食べたいっっっ」とアルは全身で表現する。こないだまでのように、ぐったりと寝てばかりはいない。きっちり座って、ランランと輝く目で見つめる。食欲は戻ったね、アル。良かったね。

薬のせいか、アルのウンチが、最後の方、ちょっと粘っこい。が、ウンチもオシッコも良好。午後の散歩では、大好きな故チェルシーのおとうさんとおかあさんに会ってなでてもらった。そうやって気分のいいところに、シェルティのリュータ君がやってきて、初めて挨拶。ミニチュアダックスの五郎ちゃんが手作りの毛布のコートを着て、元気にやってきた。アルよりひとつ下の五郎ちゃんも近頃、白髪が多くなってきた。
ここひと月ほどの体の不調は、私が熱く生きていないことを証明しているな。私は逃げてばかりいる。




     
2006/2/3(金)
節分は強風だった
「交換、しようか?」

棚の開き戸が地震の際に開いて、中のものが飛び出さないようにと、ゴムひもで開き戸の取っ手を固定している。ま、気休めであるが。アルは、そのゴムひもを辛抱強くはずしてしまい、犬用クッキーが欲しい時に、こうやって見せびらかして「交換」を迫る。食欲が戻って、元気が出てきたようで、少し前までは食後はそそくさとベッドに向かっていたのが、こうやっていつまでも台所で食べ物を狙うようになってきた。この食欲もステロイド剤の副作用、かもしれないが、久しぶりに元気なアルを見ることができて嬉しい。

日中、家がガタンッと揺れるほどの強い北風が吹き荒れた。明日は、最低がマイナス3度、最高が3度の予報。今度はしっかりとぬくぬく肌着で防寒だ!




     
2006/2/4(土)
急がば回れ
「アタシの一日、見てないでしょ?」

アルが元気だったのは知ってるけれど。
でもまた私は頭痛で、右耳から首、肩へと痛みがべったり張り付いて、午後からまた寝てた。ほんの少し、夜更かしして寝不足しただけなのに。こういうのも更年期の症状なのかなぁ。・・・と思い迷って夜更かししてはいけない。さっさと寝よう、そうしよう。早寝早起き、早寝早起き・・・・。それしかない、それしかない。




     
2006/2/5(日)
八丈島に雪
「やっぱりきれいだよね、雪」

うっすらと積雪。日が当たるとすぐに融けてしまった。なんと八丈島でも80年ぶりに積雪だという。緯度では、熊本と同じくらいの位置だから、そんなに南ではないのだけれど、暖流黒潮のせいか、とっても南国のイメージがあるから、このニュースには驚く。
この黒潮、日本海流は流れが速いのだそうだ。世界でももっとも流れの強い海流のひとつとして知られ、メキシコ湾流とともに世界2大潮流をなすそうだ。海水表面の速さは毎秒2メートルほど、時速だと7.2キロ。ちょっと小走り。

さて、今日も海の幸をいただいて元気になろうかな。




     
2006/2/6(月)
太ももは太くあるべし
食欲旺盛の本日のアル
後ろ足の太ももがっっっ!

衝撃的なまでに細い・・・
2004年5月頃のアル
むちむちの正統派コーギー!

太ももはもちろんぶっといっっ!


食欲旺盛のアルを写した本日の画像を整理していて、後ろ足のあまりの細さにがく然・・・。以前と比べてみたら、その差はあまりに歴然としていた。ここまで筋肉が落ちていては、歩けるはずもない。今は食事の時は立っているとはいえ、前足でふんばり、右後ろ足に力を込め、左後ろ足にはほとんど力が入っていない状態。食事は30秒もかからずに済ませるが、その間、最後まで立ち続けることはできない。右足の筋肉の衰えも隠せないほどになっている。間歇的な下痢・嘔吐・食欲不振、下肢の筋肉消失・性格の変化などの症状から、アジソン病を疑ってのACTH刺激試験等の血液検査を受けた結果では、下垂体由来の2次性副腎皮質機能低下症の疑いが出た。・・・下垂体に命令を発するのは、視床下部? 視床下部はどうなってるんだろう・・・? 果たして椎間板は? 詳しい検査を三重県伊賀市まで出かけて受ける予定だったが、折悪しく寒波の襲来で雪、途中、雪の通り道が坂道になっているところがあり、車の運転が不安なので、明日の予定を翌週に延ばしてもらった。

太ももは太くてこそ、太ももだ。近頃の女子高生のスカートは、そろいもそろってミニスカートで、実に寒そうだが、ミニスカートからむき出しの太ももが太ければ健康的で感じが良いので、寒そうだが許そう。彼女たちの太ももが細ければ細いほど、不潔な感じがしてしかたがない。ろくなものも食べていないのだろう、ろくに風呂にも入っているまい・・・と、感じてしまう。細すぎる太ももは醜いんだから、スカートで隠しなさいっ。




     
2006/2/7(火)
アル今昔物語
10年前のちょうど今頃のアル
11.5キロ
きりりと初々しい。
そして、今日のアル
12.2キロ
飼い主のライフスタイルの真似?


10年前のアル、1歳3ヶ月。耳ばかり大きくて、まだ子どもっぽい顔つき。こうやって、よく外を眺めていた。転がっているのは今日のアル、11歳3ヶ月。リラックスした姿は、すっかり家族の一員。

夕方の散歩から帰ったら、台所の自分の食器の前に座り、動かない。「早く、ご飯ちょうだいっ」という様子。いつもより支度が遅れたら、「早くっ」と催促する。アルは食欲が旺盛だが、ここ数日、私の胃の調子が変。今日は、食べたくない。私の食欲がないなんて、食欲がなくても食べることのできる私なのに、・・・事件だ。異常事態だ。年か? 風邪か? プレッシャーか? (食べすぎか?)




     
2006/2/8(水)
とにかく食欲旺盛
「うとうとしてるまに・・・」

誰も遊んでくれないから、うとうとしちゃう。
うとうとしてる間に、30分くらいたっちゃうよ。
目が覚めたらおなかがすいてるから、ご飯だよ。
ご飯食べたら、遊ぼうよ。
そしたらまたおなかがすくよ。
ご飯がおいしいよ。
何を食べてもへっちゃらだよ。

薬が効いているせいか、何を食べても大丈夫そうなので、今日は、〔i/d〕の缶詰に豆腐と牛肉(生)をトッピング。元気にご飯を食べて、普通に排泄できれば、歩くのが不自由なくらいなんでもないや。




     
2006/2/9(木)
待つ理由=太る理由
「ここに居るのはわかってるんだよ」

そこはトイレの前だよ、アル。ドアは内開きだから、アルにぶつかることはないけれど、それにしてもちょっとくっつき過ぎだよ。散歩の後、体を拭いてもらって、車庫との境のドアから入れてもらったら、ほとんど動かずに、父が入ってくるのを待つ。ボスにビッタリと張り付き、甘い汁を吸おうとしているな・・・。

数日振りでアルの散歩に付き合い、アルが膨らんだことがわかった。食べている量はさほど増えているわけではないから、あえて「膨らむ」と表現しておこう。歩行車にはまりきらなくなったら、どーするんだ、アル。こうして座っている画像を見てもはっきりとわかる。アル、太ったね・・・。クッキーを何枚もらっているのかな?




     
2006/2/10(金)
継続してるだけなのよ
「食後に歌ってるだけ〜ぇ〜」

夕食後、台所から離れないのは、一緒に歌いたい(遊びたい)だけなのかもしれない。「こないだまでは、一緒に歌ってくれてたじゃんっっっ」と言いたいだけなのかもしれない。「はい、お散歩行こうね、はい、オシッコしてね、次はウンチだよ、さぁ帰ろうね、ほらご飯だよ、はい、ご飯はおしまい、さぁさネンネしようね」・・・こんな感じでは、「アタシは、ご飯食べてウンチするだけの機械じゃないやーーーい」と反抗したくなるかも。

・・・と思ったので、日記書きを中断して、アルとガウガウ遊びしてきた。どうやら満足したようで、今、書斎の自分のベッドの上で、前足をペロペロなめる就眠儀式にとりかかっているようです。




     
2006/2/11(土)
なかなか捨てられないもの
「感謝して捨てたらよろし」

日経新聞、土曜日には「NIKKEIプラス1」という土曜日版が付く。そのトップの何でもランキングが毎回おもしろい。今日のランキングは「なかなか捨てられないもの」。トップは男女とも、古い写真やネガフィルム。

ランキング10位までに入った中で、女性だけに特徴的なのは、4位の「着なくなった服・ブランド名の入った紙袋」、うんうん、私も20年前のスーツをしまいこんでる!だってこれ、まだきれいだし、着ようと思えばまだ入るし、高かったし〜ぃ・・・。

男性だけに特徴的なのは、6位の「昔の交際相手の思い出の品」、・・・げげげ。「ペアで買ったシャツで、着る事はないが捨てられない」とか、「中学生の時のキスマーク入りの手紙は破れない」、ですと。男たちには悪気はないのだろうけど、理解できない行動だ。ほとんど悪趣味。
そういえば去年のことだが、元同級生が、「若い頃の、女の子たちと写ってる写真とか手紙とかいっぱいあったのにさ、探してもないんだよなぁ、どーしてかなー」、とぼやいていた。「うっひゃ〜、結婚する時に、そんなもんまで実家から持っていったの? 非常識だねぇ、バカじゃないのぉ?そーんなもん、奥さんが見つけて捨てちゃったに決まってるじゃんっ、黙ってる奥さんは偉いねぇ」と言ってやったら、「・・・そーだったのかー」としきりに感心(?)していた。なるほど、かくのごとく、男と女の間には、深くて暗い河が・・・。

近頃のアルは、あまり長時間外にはいたがらない。どうやら、自分が以前のように走れないことを自覚しているのではないか・・・、何かあった時に、「アタシ、困っちゃうよ」とわかっているのではないか・・・、とアルの気持ちを勝手に想像し、適当な頃合を見計らって、書斎の私のベッドにのせてやった。「ここではアタシが一番だよ!」と、力いっぱい元気に寝ている。




     
2006/2/12(日)
しっかりしろ!
「後ろ足?・・・浮いてるけど、それが何か?」
「前足だけでも、ドスコイッッ!だよ」


散歩の時、私はアルのリードを持ち、アルの後ろからついていくことが多い。オシッコの時は、カウントするし(オシッコの量が多いか少ないかを把握したいから。たいていは、いーち、にーぃ、とカウントして、7カウント、5カウントの2回オシッコ)、ウンチの時はすかさず100均の小袋を広げてキャッチするためだ。上から見て、おーよしよし、なんとか後ろ足が動いているね、と安心していたが、久しぶりに前から写真を撮ってみて、かなり前傾姿勢なのを確認してしまった。今は、散歩の距離は短いが(時間はそこそこ長い)、これでは上半身に疲労がたまることだろう。それにしても、今日は、なぜアルはウンチしてくれないの?これでは、ネーチャン、今夜も眠れないよ。

昨夜も、1時40分頃、アルがベッドから滑り降りる気配で目が覚めた。前夜9時半頃、リビングで、オシッコをちょっともらしちゃったアル。ステロイド剤の副作用に「多尿」があるから、オシッコかもしれない、と、ペットシーツの位置を確認しつつ、アルに声をかけた。アルはただ座っているだけで、オシッコの気配はなし。起き上がっているということは、横になった体勢で腹部や胸部を圧迫したくないのかもしれない。どこか具合が悪いのかもしれないから、20分ほど首筋をマッサージしてやりながら、アルにつきあった。2時近くになって、アルは振り向き、「ありがと、もういいよ」とでも言うかのような仕草をしてから再び自分のベッドに這い上がり、すぐに寝息をたてはじめた。

前傾姿勢といえば、ジャンプ競技。ベテランの原田選手、体重200グラム不足で失格。ベテランがそんなことでどーするんだっ。しっかりしろっっ! 




     
2006/2/13(月)
グレーゾーンは大人の世界
「今日、アタシはどこか遠くへ・・・」
「・・・行ったような気がするんだけど」


昨日、ついにウンチをしないまま、朝8時、ちょいとオシッコ済ませて、三重県伊賀市の南動物病院へ向かった。アルの様子は、「わーいドライブだー! でも、おなかすいたよ、なんかくれ」。途中、東名阪自動車道の御在所SAで、歩行車に乗せて、土の地面を歩かせたら、しきりに匂いを嗅いでから、たっぷりウンチしてくれた。(ウンチは、サービスエリアのトイレに流した。)9時50分に到着し、しばらく待って診察室に入った。ここは、診察室では、ドクターはワンコに触れず、飼い主の申し立てを丁寧に聞く。そして、希望を聞き、方針を決めて、ワンコを預かり、続く処置室に連れて行き、手当てしたり検査したりするようだ。我が家の希望は、「おいしく食べて、普通にオシッコしてウンチして、できれば食事の間くらいは自力で立つことができて、もうひとつ欲張るならば、3歩くらいは歩けるようになるといい」、ということ。

さて、2時過ぎには検査が終わって、診断結果の話に入ることができるとのこと。それまでの約3時間、愛犬から引き離された愛犬依存症の飼い主が病院から離れることができようか・・・。せいぜい、歩いて数分のカレーハウスCoCo壱番屋で早めの昼食、病院の隣のファミリーマートで飲み物とオヤツを買い、車の中でぐーたら。1時半に待合室に入った。付属の美容室に愛犬を預けている人もいれば、放射線治療や手術を受けている愛犬を待っている人もいる。と、そこへ、ワイヤーフォックステリアがやってきて、私の隣にちょこんと飛び上がり、挨拶してくれた。ワイヤーフォックステリアの手触りもなかなかいい。このワンコは病院のワンコだそうだ。こうやってみんなをなごませてくれているのかもしれない。

2時過ぎ、再び診察室に入ると医者がふたり。CTやMRIの画像を見ながら結果を聞いた。説明をしたのは、最初の診察を受け持った医者の上司らしき医者である。「椎間板ヘルニアではない。内臓はきれいで腫瘍などの病変もない。血液検査の結果も健康体の範囲。アジソン病関連の数値は確かに低く、グレーゾーンだが、アジソン病とは特定できない」、と。しかし、「まず、胃腸の炎症の有無(炎症はMRIではわからない)を内視鏡で調べて、胃腸に病気がないことを確認してから、アジソン病であるかどうかを調べる方が順序としていいのではないか」、さらに、「アジソン病と特定するのは難しい検査になる」、「アジソン病でない何か神経に関する病気かもしれないし」、と。・・・慎重なのか、優柔不断なのか、MRIで脳を見るのを忘れたのか、なんだかはっきりしないな、と思いながら、いろんな角度から質問するが、やっぱりはっきりしないので、別の質問をした。「麻痺が進行して、排泄に障害が出るようになりますか?」、と。「進行します」とのこと。マッサージは有効な手段らしい。ヨコイ動物病院の先生とも連携してくれるそうだ。

脳下垂体がどうなっているかの説明がなかったので、最初に診察した医者が、ヨコイ動物病院での血液検査の数値を見て、「アジソン病ではない」と判断し、症状から椎間板ヘルニアと内臓疾患を疑い、首から下の検査に集中したのだろう。会計の時に、最初の医者がデータを渡してくれたが、その時にもう一度聞いてみた。「アジソン病ではない、と言い切れますか?」 「アジソン病ではないと言い切るのはとても厳しい、と言えます。病名がわからないのはとても不安でしょうけど・・・」。あれれ、最初の診察時とは話が違うやんけ、と思ったが、ものは考えようである。とにかく、椎間板ヘルニアではないのだ! バンザーーイ! それに、内臓には何のガンもできていないのだ! 内臓はどこも悪くないのだ! バンザーーイ! なんでも白黒はっきりつければいいというものではないのである。世の中、白黒よりも灰色的なことが多いのだから。大事なのは、病名ではなく、アルが元気で長生きすること。そのためには、諦めないで、努力するということなのだ。もらったCTやMRIのフィルムと膨大な画像データのCDーRを、ヨコイ動物病院の先生に見てもらって、これからもアルを注意深く見守りつつ、私にできることは精一杯やっていこう。

帰宅してからさっそく、家族3人がかりで、アルのマッサージ!




     
2006/2/14(火)
バレンタインデー
「チョコレートじゃなくてもいいんだよ」

今日は、英会話クラブのある日。今やバレンタインデーは日本では女性がチョコを送る日として定着しているから、チョコを買わずばなるまい・・・。しかし、素直にチョコを買う私ではない。ステラおばさんのクッキーの店で、チョコクッキーとキャラウエイのクッキーを買って持って行った。もちろん自分の分も。

さて、帰宅したら、アルが両親とテレビを観ていた。「頑張れベアーズ」のアイスホッケー版のなんとかいう映画だ・・・、エミリオ・エステベスの、ほら、アレだ。飛べないアヒルがなんたらかんたら・・・タイトルが思い出せない〜。

午前中、昨日の検査結果のフィルムと画像データを持ち、アルを連れて、ヨコイ動物病院へ行く。南動物病院から、先生のところに報告の電話が入ったそうで、詳しくいろいろな話を聞くことができた。MRIによると、副腎はとっても小さくなってしまっていたそうだ。脳下垂体に関しては、確認できなかったということだった。すべてを考慮して、「下垂体由来の二次性の副腎皮質機能低下症」と先生は診断を下した。私もそう感じる。診断がついたのは今になったけれども、今までの治療は、結果的に一番いい方法だった。最良の選択を積み重ねてきたからこそ、今もアルは生きてここにいるのだ。ステロイドの小さな錠剤を今までの半分量ずつ続けていきながら、新しい激しい症状が出ないように、注意深くアルを見守っていくことにした。




     
2006/2/15(水)
年寄り=赤ちゃん、???
「お、春の新柄?」

ことごとく破れていたアルの靴下、ようやく補修に着手。今まで使っていた補強布はお古のパジャマ。使い尽くしてしまったので、一番安いキルティングの布を買ってきた。布でキャップを作り、すぐに破れるつま先部分に被せて縫いつけて出来上がり。

70歳を超えると、運転免許更新には、自動車学校で講習を受ける必要があるらしい。受けてきた父が苦笑して、「どうやら、70歳過ぎた人間は赤ちゃん扱いされるようだな」、と。「おじいちゃ〜ん、おばあちゃんたち〜ぃ、わかりまちたか〜?」と言わんばかりの言葉遣いだったらしい。認知症老人扱いされているのかも。・・・怖いなー、赤ちゃんが車を運転してもいいのかー。講師の30歳代のニイチャンは、自宅でも自分の親を、赤ちゃん扱いしているのだろうなぁ。それはともかく、「講習を受けて、初心に戻るのは、安全意識の向上のためにはいいことだな、と思ったよ」と前向きの感想を持った父は、・・・丸くなったねぇ、オトナになったねぇ。




     
2006/2/16(木)/
『病気にならない生き方』
「太く、長く、・・・へっへっへ」

アルのウンチは、今日も、太く、長かった。へっへっへ・・・。

胃が重く不快感がある、と言う私に、先輩が、『病気にならない生き方』(新谷弘実著)を「読みなさい」と貸してくれた。全米ナンバーワンの胃腸内視鏡外科医が教える太く、長く、生きる方法である。昨日読み終え、さっそく実行中。水を飲むこと、フルーツを食べること、よくかみ、腹八分目、などなど、無理なく実行できるものばかり。乳製品や肉をやめること、というのも、この1年ほど、不完全ながらも試みていたこと。また、アルの缶詰フードの材料の牛肉には以前から不安を感じていたことだし、これからは、アルにも、以前のように好きなご飯も食べさせよう。

現在、胚芽米を使っているが、今日のお昼は、ご飯と味噌汁(小松菜と豆腐とじゃがいも)と納豆と焼き海苔。アルもお昼は缶詰フードではなくご飯。ご飯に納豆を混ぜて、豆腐をのせてやった。夕食も缶詰フードを少し減らして、ご飯を混ぜた。今度は、納豆ご飯に海苔を細かく混ぜ込んでみるかな。




     
2006/2/17(金)
『凶賊』
「アタシは風のように〜〜」

今日の夕方散歩でちょっとうれしい発見。昨日まで動かしていなかった右後ろ足、「ついに右足までも・・・」と思っていたけど、今日は動いているではないか。散歩に出かける時も、「さっ、行こうかっ!」という元気のよさ。今日はプレドニン錠を飲まない日だけど、元気。単に、腰痛の私と一緒に、しっかり昼寝したから元気なのかもしれないが。とにかく、よかった、よかった。

『鬼平犯科帳』、いわずと知れた、池波正太郎の代表作。その中の長編のひとつの『凶賊』、新バージョンで本日放映。演技派美人女優の若村麻由美が、ちょい役の娼婦おもんとして登場、と聞けば、それだけでも期待できそうで、見たくなるではないか。実にリアルな化粧、衣装。近頃のむちゃくちゃな時代劇の中では出色のできばえ。原作とむちゃくちゃ違う、ということもなく、なかなか見ごたえあった。

格闘シーンでは、アルがむくりと起き上がり吠え始めた。バウリンガルをつけていたとしたら、おそらく「怖いよ〜、いやだよ〜、来ないでよ」といった吠え方なのだろうが、とにかく、〔凶賊〕が押し入ったら、アルは吠えてくれそうだな。よしよし。「アル、ご苦労っ」。(長谷川平蔵のセリフ「親爺、ご苦労」の真似だよ。)




     
2006/2/18(土)
目を閉じて眠ろう
「大事なのは、食べて寝ることだよ」

今日の夕食は手抜き、じゃなくて、手巻き寿司。酢飯は関西風に甘めにする。アルのご飯は、缶詰フードに胚芽米と納豆、それに焼き海苔を細かく砕いて混ぜ込んだ。夕食後、アルはソファで眠るので、気づかれないように、後ろ足を握って屈伸運動させてみる。こんな運動でもやらないよりはマシかも。なんだかアルが目を開けて寝ているようで、気になって何枚を写真も撮ってしまった。昨日と違うアルを見ると、ビクビクしてしまう。私はやっぱり小心者。

外出したら、昨日よりは寒いとはいえ、やはり春。建物内では暑くて、首周りが真っ赤にかぶれてしまって、夜になってもまだ治らない。こういうアレルギー体質を、「病気にならない生き方」の方法で治したいものだ。・・・早寝しなくちゃ。




     
2006/2/19(日)
0.05秒前!
「よっしゃー、つかまえたーっ!」

以前ほどではないけれど、夕食後、遊びたがるようになった。遊ぶとドライフードをひと粒もらえるから。いたずらしてるふりして、「ハウス」や「交換」のコマンドに従うと、ドライフードをひと粒もらえるから。夕食の支度中、片づけ中にも、台所の足元でそこらじゅうをなめながら待っているようになった。今日は、何かがこぼれた跡なのか、台所のカーペットの上を削り取るような勢いでしきりになめていた。

知り合いの犬仲間に、4歳くらいのコーギーがいる。そのコは、弾むように元気な子だったのに、ここ2、3ヶ月、妙におとなしいのだそうだ。後ろ足がちょっとふらつくのだそうだ。ビーフジャーキーを見せると一番に跳んできていたコなのに、来ないという。コーギーが食べないなんて、異常だ。オッサンくさくなっちゃって、なんて、のほほんと構えていていいはずがない。「うちのアルそっくりだよ」と、アルの病気のことを伝えてくれるように頼んでおいた。奈良の太郎君も、膀胱炎のあと左後ろ足の筋肉消失、という点ではそっくりだ。コーギーは明朗闊達、元気ハツラツなイメージと違って、万能家庭犬ゆえの繊細な性格のせいなのか、小さな体にストレスを受けやすいのかもしれない。いろんな病気になりやすいのだそうだ。




     
2006/2/20(月)
着信あり
「雨の日はインドアゲームだよ」

雨の日のアルは、心配になるほどによく眠る。今朝も、10時になっても起きてこないので、「アル、ご飯は?」、「アル、食べようか? おいしいよ」、何度も声をかけると、ようやく起きる気分が出てきたらしい。今日は薬を服用させる日、無事に、薬を仕込んだフードを食べてくれて一安心。午後もけっこう寝ていて、それでも5時頃から、ごほうびのシニア用クッキー目当てに散歩に出かけていった。夕食後は、遊びたがるアルと、スターチャンネルの『ビューティフルガール』の元気な映画をBGMに、ウサギのピーピーオモチャのキャッチボールや引張りっこしてガウガウと遊んだ。

どうやら、その間に電話があったらしいが、家族の誰も気づかなかった。9時頃、再度電話をくれたその人は、「お出かけでした?」、「帰ってきたばかり、だとか?」、「今、よろしいですか?」と、しきりに恐縮していた。

あーー、ごめんなさーい、またもや犬と遊んでいましたっ!




     
2006/2/21(火)
背中にしょってるものは
「♪片手にピストル♪心に花束♪」
「♪唇に火の酒♪背中に人生を♪」
「な〜んちゃってね、ただいま!」


アルがひとりで帰ってきたと思ったら、背中にリードをくくりつけていた。うちから10メートルの地点まで帰ってきてからが、なかなか大変なのだ。アルは家に入ろうとせずに、新聞屋さんが夕刊を配達にくるのを待ち構える。しびれを切らして父は、アルのリードを、アルの歩行車にくくりつけ、先に家に向かう。それでもしばらくは、アルは家のほうを気にしながらも動こうとしない。「アル〜、ひとりでお散歩? お利口だね〜、おうちでビスケットを食べようね」と声をかけると、仕方なしにといった様子でうちに戻ってきた。

さて、私は肩にチタンの粒を4粒貼っている。ちょっとは効くかしら。




     
2006/2/22(水)
すっかり春だね
「地面からムクムクと元気がわいてくるよ」

戸外の明るいところで撮影し、ワンコの目に日光が当たると、ショボショボした表情に写ってしまうことも多いのだが、今日のアルの画像は、オヤツをもらおうと真剣な眼差しで、若々しくて実に良い。

夜中の1時と3時と5時に、「ネーチャン、ネーチャン、なんかくれ、なでてくれ」と念力で私を起こしたアルは、5時半からはすごい勢いで熟睡し、9時頃、用を足したくて起きてきた。靴下を履かせて、外で歩行車に乗せて、リードをつけて、「ちょっと待っててね」と、日焼け止めを塗り忘れていた私は一旦家の中に入り、ピャーッと日焼け止めを塗りたくって、アルのもとに戻った。その間、3分ほどだったろうか。アルは、ウンチしていた。昨日の夕方はついにウンチしなかったから、その分もたっぷり。数ヶ所に点々と。これは手間が省けたわい、ラッキー、と、「アル、ウンチしたのね、お利口だね」と片付けてから、外に連れ出したが、アルの表情が固い。「・・・しまった、粗相してしまった」と思っているのではないだろうか。おまけに、「これ以上粗相してはならないっ」、と思っているのかいないのか、ついにオシッコしなかった。「おうちで朝ご飯を食べようね」と帰ろうとしても、「アタシが粗相してしまった現場には戻りたくない・・・」と思っているのかいないのか、とにかく戻ろうとしない。気にしなくていいのに、アルったら。

それよりオシッコしないのがとっても心配、膀胱炎になったらどうするの。昼の2時頃、また散歩に連れ出す。なかなか用を足さない。しかし、アルのお気に入りの用足しポイントに到着したあたりから調子が出てきたようで、あっちにもこっちにも行きたがり、無事にオシッコもしてくれた。アルのリズムを崩しちゃいけないな。




     
2006/2/23(木)
ワンコの後ろ姿
「背中の表情、読める?」

JAF(日本自動車連盟)の、JAF会員への雑誌、JAF Mate。この表紙がたまらなくキュートな動物写真。今日、掃除中に未開封の3月号を見つけた。今月号の表紙は、ラブラドールとコーギーの後ろ姿。きっと、舌を出して、とってもうれしそうな間抜けな顔して前をみてるんだろうな。

人とワンコが並んで座った後ろ姿の画像は、どれもこれも、しみじみと嬉しい。私とアルが一緒の写真は少ないけれど、そんな写真も撮ってもらおうかな。とりあえず本日のアルの後ろ姿、あいかわらず、何かをもらおうと真剣。

表紙だけでなく、中身も読んでみた。「空気圧」の話とか、「三角停止板」とか、「バックの仕方」とか。・・・空気圧、測ったことあっただろうか? タイヤの空気が抜けるなんて知らなかった。三角停止板、車に積んでおかなきゃいけないのかな? バックの仕方、・・・前進より得意かもしれない。




     
2006/2/24(金)
「今日はいい日だった」
「大好きな人が来たし・・・」
「ご飯もおいしかったし」


今日は、アルの大好きな人=うちの妹がやってきて、アルをたっぷりとなでて帰っていった。ここ数日、アルの排泄のリズムが狂いがちで、元気いっぱい、とは言えない。今日は、鯛のアラをとろとろ煮込んだスープ。材料は鯛のアラと限らず白身の魚で、寒い時、疲れた時、元気のない時に必ず作る我が家の必殺薬膳(?)。アル用というわけでなく、もちろん家族の好物。下ごしらえした鯛のアラを1時間半ほどアクを取りつつ煮込む。塩と酒で調味する前に、スープを1カップ分ほどアル用に取りのけて、人間用にぶつ切り白ネギを加える。

療法食の缶詰〔i/d〕にご飯を少々、その上に魚の身を少々ほぐしてのせて、スープ半カップをかけてやる。アル、夢中で一心不乱にきれいに食べた。もっと欲しそうにしていたので、残りのスープにご飯を少し入れてやって、汁かけ飯。ベッドのある書斎に引き上げる足取りも力強い。ここひと月ほど、右後ろ足も弱り始めていたが、今日は、以前のように右後ろ足でしっかりと床を蹴って、下半身を引きずって移動。美味いものを食べると、すぐに力になるのかな。

さすがに今日はおなかいっぱいらしく、もうぐっすりと眠っている。それでも、水分たっぷりの夕食だったから、夜中に、オシッコしたがるかもしれない。それが心配だし、今夜2時55分からのトリノ五輪フィギュアスケートのエキジビジョンも見たいから、今夜は、頑張って徹夜してしまおうかな。




     
2006/2/25(土)
よく寝てよく食べてよく走る
「行くぞーーーーーっ!」

今朝のアルはたっぷりのオシッコ。なんと20カウント。私の朝寝坊のせいもあろうが。手作り食事の場合、ワンコにピッタリの量の加減が難しい。

夕方散歩で、オシッコを済ませたアルに「さぁ帰ろうか」と促す父を制し、「さ、久しぶりに公園に行こうか」と声をかけると、天気もよく気分がいいのか、さほど嫌がらずに歩き始め、公園が近くなると、足取りが速まり、久しぶりの芝生の上で、リードをはずすと、自分からあちこちに動いて実に嬉しそう。落ちていた針金の輪を転がしてやると追いかけて走る、走る。「もっと投げて!」と催促して、何度も走って飽きない様子。アルは、公園に来たかったんだね。走りたかったんだね。遊びたかったんだね。

アルの姿が嬉しかったので、今日の夕食も、手作りしてみた。鳥胸肉50グラム、煮干10グラム、野菜各種と煮込んでスープにする。刻んだ野菜は半量はスープにするが、残り半量とメカブ少々は生のままで、ご飯50グラムの上にのせ、スープをかけ回し、オリーブ油を少量加える。アル、一気に食べた。ちょっと嬉しい。ご飯効果よ、出て来い!




     
2006/2/26(日)
今日もまたご飯がうまい
「あ〜、腹減った〜」

カーペットのザラザラ感が舌に心地いいの? さっきご飯食べたばかりでしょ。

手作り食を与えると、おなかの調子はどうか、足りているか、多すぎないか、と、心配は尽きないが、うまそうに食べる姿が嬉しいので、作るのは苦にならない。朝食は療法食の缶詰だが、夕食は手作り。鳥胸肉70グラムで多いので、煮干は半量以下に減らした。キャベツ、にんじん、大根、ブロッコリ、シメジと乾燥芽ヒジキ。

デパートのポイントがずいぶんたまっていた☆ これを利用して、明日の父のバースディプレゼントを買いに行った。誕生日だからと言って特別なことはしないのが我が家流だが、「命は限りあるものなんだよ」と、アルが教えてくれたので、今までの一年に感謝し、心を物で表現してみることにした。




     
2006/2/27(月)
アルが吠えるのには理由があるんだ!・・・そして今夜のご飯
「そっちの部屋には行かないよ・・・」

夕食後、アルはリビングに入ってこようとしなかった。
それには深い理由があった・・・。
その遠因は私にあるかもしれない。
・・・なんちゃって。

「だって、そこにはアタシのオシッコの影が・・・」

午後2時頃、リビングでアルが吠えた。リビングに閉じ込められたアルは、オシッコしたくても出られなかった。そして、「オシッコしちゃったよ!」と呼んでいたのだった。
「今日のご飯は、肉団子丼!」

朝の散歩でオシッコたっぷりしたけれど、連日の手作り食で体に水分たっぷりのせいなのか、それとも単に、オシッコがまんできない状態に、体が少しずつ変化しているだけなのか?

本日は、犬ご飯レシピで見つけた料理をちょっとアレンジ。鶏ひき肉220グラムの肉団子をまず10分間煮込む。ヒジキ、ブロッコリ、モロヘイヤ、春雨を加えて10分煮込む。最後にすりゴマを小さじ1杯。アルは味付けに文句言わないから、好き。というか、アルのご飯は味付けしないでいいから、楽。

オリジナルでは小松菜を使っていたが、本日の我々の夕食に、モロヘイヤとホウレンソウと豆腐のチャンプルーを作ったので、アル用にもモロヘイヤを使用。肉団子から食べてしまい、残りは食べにくそうにしていたので、少しずつ手のひらにとってやったら、全部食べてくれた。今日も水分たっぷりの料理。今夜も、書斎にペットシーツを敷き詰めておこう。




     
2006/2/28(火)
台所にも地図を作った!・・・そして今日のご飯は
「またやっちゃったんだけどさ〜」

今日は動物病院に行く日。この2週間、無事に過ごせたので、薬の投与量も今までの通りで続ける。しかし、今週になってリビングに2回、昨夜も3時にオシッコ。散歩の時もたっぷりしているし。実は今夜8時にも、台所のカーペットの上にでっかい地図。食事に水分が多いからなのか、膀胱炎か? 今夜、夜中にもまたオシッコをするようだったら、膀胱炎を疑って、抗生物質を飲ませることにしよう。


「卵サラダは食べやすかったよ!」


今日の計量ではなんと12.88キロ。半月で400グラムも増量していた。ご飯を食べさせすぎたか・・・? 今日のアルの夕食は、ゆで卵2個、ゆでジャガイモ1個、ゆでにんじん半本、ツナ缶80グラム(食塩無添加の野菜スープ煮のもの)を混ぜて、ナバナとレタスも少々刻んで混ぜ込んだ。330キロカロリーほど。レタスは、痛みを取り、夜よく眠れる、と、みのもんたの番組で聞いたことがあるような気がしたから。

人間用は、鶏ゴボウ混ぜ飯・レタスのスープ・ナバナの酢味噌和え・トマトとゆで卵のサラダ。ナバナ(菜花)が食卓に上ると、春を実感する。




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